ヒアルロン酸注入でアレルギーが起こることはあるの?

美容クリニックの施術で、手軽にほうれい線を薄くしたり愛らしい涙袋が作れたりするとして高い人気があるのがヒアルロン酸注入です。ヒアルロン酸は非常に安全性が高い成分だといわれていますが、実際のところどうなのでしょうか。

ここでは、ヒアルロン酸とはどんなものか、アレルギーが起こる可能性はあるのかなどを説明していきます。

ヒアルロン酸による涙袋形成手術が人気

ヒアルロン酸ってどんな成分?

美容成分としてよく知られているヒアルロン酸は、もともと人間の体内にも存在する物質です。主に細胞と細胞の間に存在し、水分を保持して潤いを維持したり、クッションのような役割を果たして衝撃を緩和したりしています。

特に優れているのが保水力で、1gで6リットルも保持できるといわれているほどです。皮膚に多く含まれますが、目や関節などにも存在しています。肌では真皮層に多く含まれてハリや弾力を支え、眼球では形を維持し、関節では潤滑油のような働きをしています。

ヒアルロン酸は医療面でも美容面でも幅広く使われている成分です。医療面では、たとえばひざの関節炎症や五十肩などによる痛みを緩和するために注射が行われたりしています。美容面では、ヒアルロン酸を配合した化粧水や美容液、サプリメントなどが数多く販売されていますし、美容整形でもよく用いられています。

美容整形では、口周りや目元に注入してほうれい線を薄くしたりふっくらした涙袋を作ったりする施術が人気です。額のしわ取りやすっきり高い鼻を作る施術もあります。

体内にある成分だからアレルギーは起こらないは嘘!?

ヒアルロン酸はもともと体にあるため、摂取や注入をしてもアレルギーが起こる心配はないとよくいわれます。実際に、重篤なアレルギー症状が発症した例は報告されていません。しかし、どんな物質でもアレルギーが起こる可能性がまったくないとはいえないのです。

そもそも、美容整形で注入するヒアルロン酸は純度100%というわけでもありません。純度100%のヒアルロン酸を体内に注射すると、あっというまに分解吸収されてしまいます。そのため、美容整形で使うヒアルロン酸製剤は架橋と呼ばれる化学的修飾を行っています。

化学的修飾とは、物質を化学的に変化させ、その物質の持つ機能を変化させることです。つまり、ヒアルロン酸製剤は、注入してすぐに分解吸収されることがないように化学的な手を加え、安定して組織内に留まれるようにしてあるのです。

この架橋というプロセスを行うのには架橋剤が必要になります。また、添加物が配合されている製剤もあります。ヒアルロン酸そのものに対して反応が起こらなくても、架橋剤や添加物に対してアレルギーを起こす可能性は考えられるでしょう。

また、ヒアルロン酸の製造過程において、製造に使う細菌や培地由来の物質が混入することもあります。

もちろん精製はされますが、製剤によっては精度が低く混入物質をしっかり除去できていないケースがある可能性があるのです。このような混入物質に対して身体が反応する可能性も否定できません。クリニックによって、使用しているヒアルロン酸製剤はさまざまに異なります。

なかには混入物質が除去しきれていない、あまり品質の良くない製剤を安価だからと使用しているところもあるでしょう。

アレルギーが起こったら見られる症状は?

それでは、ヒアルロン酸を注入してアレルギー反応を起こした場合、どういった症状が見られるでしょうか。これは、主に注入部位のはれや発赤などが挙げられます。アレルギーではなくても、注射後に腫れや赤みが起こることはよくありますが、普通は数日で引きます。

しかし、いつまでたっても治まらないといったときはアレルギー反応の可能性が考えられるでしょう。ヒアルロン酸によるアレルギー反応が心配ということであれば、事前に腕にごく少量を注射して反応を見ることで、可能性の有無を確認することは可能です。

この皮内テストは、コラーゲンを注入する際に行われています。しかし、ヒアルロン酸でアレルギーが起こることは非常にまれなため、クリニックでもテストを行う必要はないとしているのが普通です。

ヒアルロニダーゼってどんなもの?

ヒアルロン酸注入後に赤みや炎症が治まらない場合は、ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)を打つという方法があります。これは、注入した部位が凸凹したり想像よりふくらんでしまったりしてやりなおしたい、元に戻したいといったときにも行われる注射で、文字通りヒアルロン酸を溶かすものです。

ただし、ヒアルロニダーゼはヒアルロン酸よりもずっとアレルギーを起こす可能性が高いです。100人に1人の割合で起こるとするクリニックもあり、その確率はなかなか高いといえるでしょう。そのため、ヒアルロニダーゼを打つ前は皮内テストを行うというクリニックは多いです。

また、基本的に皮内テストは行っていないが、患者の希望に応じて行うというクリニックもあります。心配であれば事前に皮内テストを受けておくといいでしょう。

顎にヒアルロン酸注入をして横顔美人になろう

信頼できる美容クリニックを探そう

ヒアルロン酸注入というと、注射をするだけの手軽なプチ整形と思われがちです。また、ヒアルロン酸は体内にある成分だと説明されれば、安全性が高く失敗することはない施術だと思ってしまう人もいるでしょう。しかし、実際には異物を体内に注入するのですから、絶対に安全とは言いきることはできません。

まれとはいえ、アレルギーが起こる可能性はあるのです。そのため、クリニック選びは慎重に行う必要があります。インターネットで調べればクリニックのサイトを閲覧できますので、症例や実績が豊富なところを選ぶといいでしょう。

どんなヒアルロン酸製剤を使っているかを明示しているところもあります。製剤名が分かれば、評判などを調べることもできるでしょう。多くのクリニックが無料のカウンセリングを行っていますので、相談に訪れて信頼できる医師かどうかを見極めることも大切です。

ここでのポイントは、カウンセリングに十分な時間をとってアレルギーや副作用などのリスクも含めてしっかり説明してくれるかどうかということです。疑問点や不安な点についてもよく聞いてわかりやすく説明してくれるのであれば、信頼できる可能性は高いでしょう。

反対に、十分な説明もなく簡単で安全だと言いきるところ、すぐに施術を受けるように強くすすめてくるところはおすすめできません。